14.水戸城‐瓦塀や空堀、偕楽園・弘道館の見どころ紹介

水戸城大手門 日本100名城
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写真 徳川御三家の城

鎌倉時代に馬場氏が築いた城にはじまり、
佐竹義宣による大改修を経て、さらに徳川頼房が入城し御三家の城として改築されました。

石垣を用いず、堀と土塁のみで守りを固めている連郭式の縄張りが特徴的です。

水戸藩藩校である弘道館は徳川斉昭が実施した藩政改革、天保の改革の一つとして
水戸城三の丸に創設され、藩校としては全国一の規模を誇ります。
現存する正門、正庁、至善堂は、国の重要文化財に指定されています。

また水戸城といえば、日本三大庭園に数えられる偕楽園でも有名です。
偕楽園もまた天保の改革の際に造成されました。

本記事では水戸城から偕楽園の見どころをご紹介します♪

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水戸城概要

基本データ

写真 水戸黄門で有名な光圀公は2代藩主です

別名馬場城
別名の由来 築城主馬場氏の名による。
所在地 茨城県水戸市
城地種類 平山城
縄張り形式 連郭式
築城年代 1190年-1198年
築城者 馬場資幹
主要城主 馬場氏、江戸氏、佐竹氏、徳川氏
文化財史跡区分 茨城県史跡、国の特別史跡(藩校)
天守の築城年代
天守の形式 天守代用の三重五階の御三階櫓
天守の構造
現在の天守の状態
現存する建築物 薬医門、藩校弘道館など

利用案内

アクセスJR常磐線水戸駅から徒歩約8分
*薬医門は、県立水戸一高の敷地内
開城時間 弘道館 2月20日~9月30日:9:00~17:00
10月1日~2月19日:9:00~16:30
二ノ丸櫓 9:30~16:00
偕楽園 2月中旬~9月30日 / 6:00~19:00
10月1日~2月中旬 / 7:00~18:00
入城料金 弘道館 大人400円、小中学生200円、シルバー200円
二ノ丸櫓 無料
偕楽園 大人300円、小人150円
100名城スタンプ設置場所 弘道館料金所窓口
スタンプ設置場所の開館時間 2月20日~9月30日:9:00~17:00
10月1日~2月19日:9:00~16:30
主な関連施設 偕楽園

関連サイト:日本三大名園 偕楽園
弘道館~日本最大規模の藩校|観光いばらき
水戸城 二の丸角櫓 « 水戸市の観光情報サイト「水戸旅」【公式】水戸観光コンベンション協会

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歴史予習

徳川御三家の城になるまで

水戸城の歴史は平安時代に馬場氏が本丸付近に居館を構えたことがはじまりとされています。
15世紀に入り、馬場氏の勢力が弱まると、佐竹氏の配下であった江戸氏が水戸城を奪取し居城とします。

天正18年(1590)、小田原征伐の功として、所領安堵を得た佐竹氏は江戸氏から水戸城を奪い、
さらに府中城の馬場氏を滅ぼし、北関東随一の大名となりました。
そして本拠を太田城から水戸城に移し、居城としました。
佐竹氏時代には現在の縄張りの基礎ができたと考えられています。
佐竹家は常陸水戸54万5800石の大大名となり、徳川・上杉・毛利・前田・島津とともに
「豊臣六大将」とも呼ばれました。

しかしその後佐竹義宣は関ケ原の戦いで中立の立場をとった事により、秋田に転封となり、
水戸城には家康の五男・武田信吉が封じられました。
しかし信吉は翌年嗣子なく急死した事から、家康の十男・頼宣が封じられます。
慶長14年(1609)、頼宣は駿府藩50万石を与えられ移封となり、
家康の十一男・頼房が下妻城より25万石で入城すると、
以降廃城まで御三家・水戸徳川家の居城となり、明治を迎えました。

水戸徳川家は参勤交代を行わない定府大名であったため、
水戸城が藩主の居城として使われることは少なく、質素な城でした。

徳川斉昭による天保の改革

まず、天保の改革とは一般的に、天保年間(1841年~1843年)に行われた、幕政改革を指します。
そしてこの時期には、諸藩でも藩政改革が行われました。

この時水戸藩9代藩主だったのが、徳川斉昭とくがわなりあきです。

斉昭は7代藩主・治紀はるとしの三男として江戸の小石川藩邸で生まれました。
そして30歳で水戸藩主に就任すると、反省の改革に取り組みました。

改革の主な内容としては、

  • 経界の義(全領検地)
  • 土着の義(藩士を水戸城下から農村に移して土着させ武備の充実をはかること)
  • 学校の義(藩校建設)
  • 惣交代の義(江戸に常住している定府制を廃止すること)

の4項目でした。
その諸政策の中でも特に注力したのが、藩校弘道館の建設と偕楽園の造成でした。

斉昭は優秀な人材を育成する為に、天保12年(1841)に弘道館を、
翌年偕楽園を開きました。
偕楽園創設の理念の一つには「一張一弛いっちょういっし」という言葉がありますが、
これは孔子の言葉で、厳しいだけではなく時には緩めて楽しませる事も大切であるという教えです。
つまり文武修行の弘道館と、心身を休める場である偕楽園は、
一対の教育施設として補完しあうよう構想されたと考えられています。

また偕楽園は藩主や藩士のみではなく、庶民にも開放する目的を掲げていた点で、
他の多くの大名庭園と異なります。

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見どころ

現存薬医門(橋詰門)

水戸城現存薬医門
薬医門

安土桃山時代末期頃に佐竹氏によって建てられたものと考えられています。

明治20年(1887)頃と昭和19年(1944)に水戸市内で所在を変えて移築されましたが、
昭和56年(1981)に、水戸城本丸跡地(県立水戸第一高等学校敷地内)に移築復元されました。

大手門・瓦塀

水戸城大手門
大手門

大手門は2015年(平成27年)、明治維新150年を記念して復元工事され、
2020年2月4日に復元式典が開かれました。

水戸城大手門 瓦塀
発掘された瓦塀
水戸城大手門 瓦塀
復元された瓦塀

その際に、大手門の脇に存在していた瓦塀が土中から発見され、
現在も門の脇で一部が確認できるようになっています。
また、しゃちほこ瓦の破片も出土しています。

空堀跡(JR水郡線)

水戸城空堀
空堀

水戸城は石垣を用いない土造りの城として有名ですが、
二の丸跡と本丸跡の間に位置し、現在JR水郡線すいぐんせんが走る空堀跡では
堀の深さ、土塁の高さが確認できます。

二の丸隅櫓

水戸城二の丸隅櫓
二の丸隅櫓

二の丸角櫓は、二の丸の南西部角に位置しており、
櫓本体は、2階建の角櫓と、その北側・東側に接続される2つの多聞櫓から構成されています。

現在みられる櫓は、大手門同様、発掘調査や史資料をもとに、
当時と同じ場所に天保年間の姿で復元されたものです。
櫓内では水戸城に関する映像や資料が展示されている他、
櫓の前には、当時の礎石が展示されています。

二ノ丸櫓の開館時間
9:30~16:00

弘道館より二の丸隅櫓のが閉館時間が早いから気を付けてね!

弘道館

水戸城弘道館
弘道館

弘道館では正庁・至善堂を中心に学問を学び、
他にも武館、医学館、天文台、馬場、調練場などがあり、総合大学のような施設でした。

最後の将軍・徳川慶喜は、幼少期に弘道館で学び、
大政奉還後もここで謹慎生活をおくりました。

幕末維新期の水戸藩は、藩内抗争が広がり、
明治元年(1868)、藩内抗争の最後の激戦といわれる弘道館の戦いが起こり、
文館、武館、医学館などが焼失しました。
正門の柱には弾痕が残されています。

水戸城弘道館正門
弘道館正門(重要文化財)
水戸城弘道館内部
弘道館内部

そして明治5年(1872)、学制が発布されると閉館となりました。

幾度の戦火を免れた正門、正庁、至善堂は現在国の重要文化財に指定されています。

弘道館の開館時間
2月20日~9月30日:9:00~17:00
10月1日~2月19日:9:00~16:30

偕楽園

偕楽園
偕楽園 竹林

好文亭表門は偕楽園の正門で、江戸時代には主な入口として使用されていました。

偕楽園好文亭表門
好文亭表門
偕楽園吐玉泉
吐玉泉

現在の吐玉泉は4代目で、初代とは形状も異なりますが、
現在も豊富な水が沸き、1日約100トンにもおよぶと言われています。

偕楽園好文亭
好文亭

好文亭は斉昭が自ら設計したもので、
ここに文人墨客や家臣、領内の人々を集めて詩歌や慰安会を催しました。
昭和20年(1945)の水戸空襲の際に全焼してしまいましたが、
昭和30年(1955)から3年かけて復元されました。

偕楽園の開園時間
2月中旬~9月30日 / 6:00~19:00
10月1日~2月中旬 / 7:00~18:00

好文亭の開館時間
2月20日~9月30日 / 9:00~17:00
10月1日~2月19日 / 9:00~16:30

偕楽園の閉園時間よりも好文亭のが閉館時間が早いから気を付けてね!

城郭検定対策

城郭検定マーク
  • 馬場氏が築城し、江戸氏が居城としていたが佐竹氏が水戸城を奪取した。
  • 佐竹氏は水戸城入城前太田城を居城としていた。
  • 連郭式の縄張り
  • 2階建ての大手門、二の丸隅櫓、450mの土塀が復元された。
  • 水戸城は茨城県史跡、弘道館の一部は国指定特別史跡に指定されている。
  • 水戸城には西の丸はない。

戦火の被害を受けた部分、受けなかった部分もチェックしたいね!

周辺情報

黄門神社

黄門神社
黄門神社

水戸黄門こと徳川光圀みつくに生誕の地に建てられた神社です。
神社とはなっていますが生誕記念の地でしかないため、御朱印などはありません。

所在地:茨城県水戸市三の丸2丁目2-4(地図
アクセス:JR水戸駅北口より徒歩で約5分

常盤神社

偕楽園常盤神社
常盤神社

水戸歴代藩主の中でも崇敬を集めた徳川光圀公・斉昭公を祀っています。
偕楽園のすぐ隣にあります。

所在地:茨城県水戸市常磐町1-3-1(地図
アクセス:水戸駅北口バスターミナル4番のりばから歴史館・偕楽園方面行き「偕楽園・常磐神社前」下車。
     同バスターミナル6番のりばから「偕楽園」行き「偕楽園」下車、徒歩約3分。
HP:常盤神社

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